【本物との違いは?】ルイス・ポールセン照明のリプロダクト品と正規品の違いを解説

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【本物との違いは?】ルイス・ポールセン照明のリプロダクト品と正規品の違いと注意点を徹底解説

ルイス・ポールセンの中でも人気の照明であるポール・ヘニングセンのデザイナーズ照明PHシリーズは、デザイン性と機能性が高く、多くの人々から愛されています。

しかし、オリジナル品は小さめのテーブルランプでも20万円もする高価な品なので手の届かないものと思われがちです。
そこで注目されるのが、リプロダクト品です。リプロダクト品は著作権の切れた製品を再現したもので、デザインや機能性はほぼそのままに、価格が大きく抑えられているのが特徴です。

  • リプロダクト品はオリジナル品とどう違うの?
  • 品質や保証には問題がないの?偽物だとバレる?
  • どのような点に注意して買う必要があるの?

リプロダクト品は安いから気になるけど、不安…という人は多いですよね。本記事では、ルイス・ポールセンの照明の「正規品」と「リプロダクト品」の実物を見比べながら違いを詳しく解説しますのでリプロダクト品を検討している人はぜひご覧ください。

目次

本物とリプロダクト品があるのはどういうこと?

まず最初にルイスポールセンの正規品と、ネットで売られている安いリプロダクト品がある理由について簡潔に解説します。

リプロダクト品とは?

リプロダクト品とは、著作権や意匠権の存続期間が切れた過去の名作などを別の業者が再現した商品のことを指します。

ポール・ヘニングセンのデザインしたPHシリーズの照明や、アルネ・ヤコブセンがデザインしたAJシリーズは、正規品のルイスポールセンが販売するオリジナル商品の他にも、他業者がデザインを再現して作られた商品が約1/10価格で販売されています。ジェネリック品、レプリカ品などとも呼ばれます。

リプロダクト品が安い理由

リプロダクト品は、ルイスポールセンが販売する正規品よりも圧倒的に安い価格で購入できます。

リプロダクト品が安い主な理由は次のとおりです。

  • 製品のデザイン料が含まれていないため
  • 中国の工場などで安価に生産されているため
  • 一部工程を省き低コストを実現しているため
  • 見えない部分にはこだわらずコストカットしているため
  • 技術的に難しい部分は簡易化しコストカットしているため

製品のデザイン料が含まれていないため安くなるというだけでなく、安価で生産するための多くの工夫によって低コスト化を実現しています。

しかし、低コスト化によって品質を落とすこと無く、品質やデザインにこだわった高品質なリプロダクト品は価格も高く正規品に近い価格になっていきます。

リプロダクト品の保証と耐久性について

リプロダクト品だからといって保証がなく、すぐに壊れてしまうと言ったことはありません。

今回比較するPH3/2 tableは正規品は20万円、リプロダクト品は2万円と、10倍の価格差がありますが、照明器具としては2万円でも量販店で販売されている照明と比較しても高価な部類です。

販売店にもよりますが基本的に1~2年程度の製品保証が付いており、すぐに壊れてしまう粗悪品ということはありません。普通の照明に近い耐久性は保持しています。

照明という用途的に正規品と比べて耐久性に大きな差が出るということはありません。正規品もリプロダクト品もデリケートな商品なので落下させたり固いものをぶつけたら壊れますし、ソケットはシンプルな構造なので品質差はあれど大きな差は生まれにくいです。

PH 3/2 tableのルイスポールセンの正規品とリプロダクト品違いを実物で比較

実際のところ、本物とリプロダクト品の具体的な違いはどうなの?という一番気になるであろう箇所を、画像や動画を交えて詳しく解説していきます。

動画で質感の違いを比較

左側が正規品で右がリプロダクト品

外観の質感の違いなどは写真ではわかりにくいので、細部の詳細解説の前に外観比較の動画をご覧ください。

カラーはどちらもブラック・メタライズドです。正規品のほうが美しい塗装になっていますが、パッと見で大きな変化に気づくほどの差はありません。

ケーブルやスイッチは質感が結構はっきり現れているのでこの動画ではケーブルの差が一番目立っているかもしれません。

ランプシェードの加工が異なる(正規品はフロスト仕上げ)

比較図(下から見た図)
(シェードが歪んで見えるのはレンズの画角の影響です)

ルイスポールセンの本物もリプロダクト品も表面(外側)は同じようなツルツルとしたガラス面になりますが、裏面の処理が大きく異なります。

リプロダクト品は裏側も表面と同じようなガラスのツルツル面になりますが、ルイスポールセンの正規品はフロスト仕上げになっておりザラザラしてマットな印象です。また白さが強いのが特徴です。

リプロダクト品と正規品のシェードの裏面のフラスト仕上げの比較
シェードの裏側比較

フロスト仕上げにより光が拡散し、より明るく、美しい光になるため実際に点灯させた時の明るさの感じが少し異なります。

シェードに極小さなピンホールのような気泡がある

ピンホール

ランプを付けた状態で細かくチェックしていたら気づきましたが、リプロダクト品には気泡のような細かい気泡のようなものが確認できました。

小さな点なので気にはならないのですが、正規品には見られないことからリプロダクト品との品質差の一つであると言えます。

リプロダクト品はほんの少しぐらつきがある

これはPH TableやPH Floor固有の問題ですが、ネジなどで固定せずにはめ込むことで組み立てる設計となっているため精度によってはグラつきが発生します。

テーブルに置いて使用するので問題ないと言えば問題ないのですが「グラグラする机の上」「揺れる床の上」などに置くと照明がガタついて音が発生してしまうかもしれません。

正規品も強めに揺らせばグラグラするのでものすごく大きな差があるというわけではありません。

リプロダクト品は台座と一体化していない

細かいポイントですが正規品は台座と支柱が完全に一体化していますが、リプロダクト品はネジ穴にはめ込むようになっています。

ちなみに組み合わせた後は見た目的な差はほぼありません。

パーツや組み立て後のサイズがほんのわずか異なる

左が正規品・右がリプロダクト品

この違いに関しては実際に両方を比較して見比べてみないとわかりませんが、リプロダクト品はパット見は全く同じように見えて、パーツを個々に比較してみると細部の大きさやカーブの形状が微妙に異なっています。

ポール・ヘニングセンが設計したした対数螺旋により理想の光の屈折を再現しているのはルイスポールセンの正規品のみなので凄い細かいポイントですが「シェードの角度」や「組み合わせのバランス」も重要な比較ポイントです。

理想の形状を細部まで追求するなら正規品一択

ケーブルやスイッチなど、細かい部分の品質差

ケーブルとスイッチの比較
上がリプロダクト品、下が正規品

リプロダクト品のケーブルはいかにも「一般的な安いケーブル」となっており、ルイスポールセンの正規品のケーブルはチューブが厚く中間に線のくぼみがない「ちょっと良いケーブル」になっています。

スイッチ部分も「安い樹脂」と「多少しっかりした樹脂」くらいの差があります。

どちらも配線隠ししてしまえば見えない部分とはいえ、細かい部分のほうがクオリティの差が目立ちやすくなっています。

こちらも見えない部分ですが、シェードの裏側のエッジ部分の処理。

正規品はなめらかになっており、丁寧な処理が施されていますがリプロダクト品は粗さが見えます。

組み立ててしまえば完全に見えなくなるので過剰品質と言えなくもないですが正規品はこのように見えない部分も丁寧に作り込んでいます。

電球を入れるソケット部分の仕組みが違う

リプロダクト品はランプをソケットに入れる際に上蓋をプラスドライバーで外してから電球を取り付ける仕組みですが、ルイスポールセンの正規品は上蓋を外さずに隙間からランプを入れられるような仕組みになっています。

リプロダクト品は上の黒い蓋を外してから電球を入れる
正規品は隙間から電球が入る

組み立ててしまえば違いがわからない部分ですが、正規品はドライバーなどが完全に不要となっており組み立てもスムーズに行え、電球の交換もしやすいようになっています。

シェードの高さ

リプロダクト品はソケットの位置が正規品より1cmほど下になっています。

PH Table/Floorシリーズは3つのシェードの組み合わせによって形成されていますが、電球とシェードの位置関係によって光の広がり方が変化します。

どちらにしても付属の電球を使用するのであれば問題ありませんが、使用したい電球がある場合は正規品では使えてもリプロダクト品では使えないということがおこるかもしれませんので注意してください。

正規品にhue E17を使用した場合

シェード下にナットが付いているため手動で高さを微調整することができますが変更可能なのは1~2cm程度の変更にとどまります。今回は正規品とリプロダクト品、両方にスマホなどで調光調整できるIoT電球のhueを入れてみました。両方で使用が可能でしたが、正規品の方が飛び出し幅が大きくなりました。

スマート電球などを利用する場合は逆にリプロダクトのほうが良い場合もあります。

梱包の違い

楽天などのレビューを見ると「梱包がひどい」というものが目立ちますが、2023年現在は改善されたのか正規品と比べても大きく劣るほどではありませんでした。

実際の梱包状態は以下のとおりです。

左が正規品、右がリプロダクト品

正規品の方は発泡スチロールが使われておらず、専用に形成されたダンボールと樹脂系のクッションで梱包されています。

リプロダクトは発泡スチロールが使われているためゴミの処理には多少気を使うかもしれませんが、丁寧に梱包されており組み立て用の手袋まで入っているので十分満足できる梱包かなと感じました。

本物とリプロダクト品の違いまとめ 結局どちらを選べばいい?

本物とリプロダクト品の違いをまとめると次のようになります。

  • ぱっと見の外観はほぼ同じで違いはわかりにくい
  • 質の良いリプロダクトだと差は少ないが正規品のほうが美しい仕上げ
  • リプロダクト品はガラス裏側は無加工だが、正規品はフロスト処理されている
  • 細かいパーツが微妙に異なり、光の拡散具合もわずかに異なる
  • 正規品は見えない部分にもこだわり、丁寧に作られている

正規品のほうが品質が高く魅力的なので私は正規品を選びますが、価格差が非常に大きいためリプロダクト品が多くの人に選ばれるのもよくわかります。

リプロダクト品の品質は確実に正規品に劣りますが、その差や違いに気づかない人の方が多いレベルの細かい話なのでリプロダクト品というものに抵抗がない人であれば安いリプロダクト品を選んだほうが良いかもしれません。

最終的には価値観の問題になってきます。

最後に正規品とリプロダクト品、どちらを選ぶか迷った際に比較対象となりそうなポイントを解説します。

リプロダクト品は第三者による評価を気にしなければコスパ最強

リプロダクト品に関しては、批判的な意見も多く、中には「リプロダクト品は偽物のブランドバッグと同じで恥ずかしい」「レプリカ品を買うくらいなら別の照明を選んだほうがマシ」などの否定的な意見を持つ人もいます。

他者からの評価を気にする人はリプロダクト品は向いていません。

「自分の部屋であまり来客はないから自分が好きなデザインを楽しめればそれで良い」「部屋の隅にしか置かないから客が来てもバレない」「合法なんだから他人がどう思おうがどうでもいい」という第三者にどう思われるかを気にしない人には最適。見栄をはらなければ数十万安くデザイナーズ照明が使えてお得とも言えます。

リプロダクト品は見た目でバレる?

良質なリプロダクト品であれば基本バレません。

リプロダクト品とルイスポールセン正規品の区別がつくのは「本物を持っている人」「専門家や製品に詳しい人」などの特に詳しい人だけです。詳しい人だとしても間近で見られなければ、9割以上の一般人はリプロダクト品と本物の見分けがつかないはずなので過度に恐れなくても大丈夫です。

この記事のトップ画像、どちらがリプロダクト品かわかりましたか?

リプロダクト品と正規品の比較

正解は左側の写真がリプロダクト品です。

比較画像などを見てもらえばわかりますが、ある程度詳しい人であっても細部を見なければ本物と思ってしまうレベルの差です。周りの家具やインテリアがオシャレであればあるほど違和感なく溶け込むのでより本物感が増します。安物の服を着てる人がエルメスのバッグを持つと本物でも偽物っぽく見えるけど、ハイブランドの服をおしゃれに着こなしている人が偽物のエルメスのバッグを持っていても本物にしか見えなくなるような感じですね。

本物を価値のある「資産」として保有

確かにルイスポールセンの正規品はリプロダクト品の10倍ほどの価格になっていますが、価値が保証されています。

10年、20年と経過しても価値が落ちることはありません。むしろルイスポールセンは毎年のように値上げを行っており年々価値が上がっています。

時計などと同じように長期保有する資産として所有するという考えで使用するのもおすすめです。

リプロダクト品はメーカーによって品質や価格にバラつきがある

今回、比較用に購入したPH3/2 Tableとは別にさらに安いリプロダクト品も楽天やAmazonで売ってはいましたが、写真を見るからに塗装がチープで品質がとてつもなく悪いのがわかったので今回は比較対象にならないと判断し見送りました。

今回比較した、リプロダクト品はリプロダクト品の中では最上位と言えるほどに質が良いのでもしリプロダクト品を買うのであれば以下のショップがおすすめです。

長年の実績のあるリプロダクト品を扱うメーカーでは有名で、Amazonと楽天どちらからでも買うことができます。

一方で、正規品を買うのであれば店舗で店員さんに話を聞いてから購入してもいいですし、YAMAGIWAなどの大手メーカーから購入しても良いと思います。

ヘニングセンの照明は人気で、2週間〜3ヶ月待ちなども多く、値上げも多いため早めの購入がおすすめです!

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